12, February 2022
石清水八幡宮は最盛期に多くの宿坊があった
その一つに瀧本坊という宿坊があり
その住職 昭乗が好んだ四つ切箱を器にした
お弁当が松花堂弁当(の起源)と言われる
ここ石清水八幡宮でその四つ切箱の器は
まだ、お弁当ではなかった・・・
今では、お弁当の代名詞といえるほど知られている
「松花堂弁当」
その名前の由来は、石清水八幡宮にあった瀧本坊の
住職を務めた松花堂昭乗が好んだ
四つ切り箱が器の基になっている
昭乗が、農家の種入れとして使われていた箱の内側を
十字に仕切った器をヒントに、茶会で使用する
煙草盆や絵の具箱として使用していた
江戸時代に遠州流の茶人が瀧本坊で行った茶会の茶会記に、
「瀧本の墨絵」のある春慶塗の器が「瀧本好」の
たばこ盆として記されている
昭和の初め、日本料理「きっちょう」の創始者が
松花堂の地を訪れ、昭乗の好んだ「四つ切り箱」を見そめ、
器の寸法をやや縮め、縁を高くして、
料理が、おいしそうに、美しく盛りつけできるように
工夫を重ね、蓋をかぶせて、茶会の点心等にだされた
器が十字に仕切られていることが大切で、
煮物、焼き物、お造り、ご飯などの食材同士の
味や香りが混ざらないため、それぞれのお料理が
おいしくいただけるとともに
美しく盛り付けすることができる。
まさに機能と美しさを併せ持つ器。
こうして作られた弁当は、四つ切り箱を好んだ
昭乗に敬意をはらって「松花堂弁当」と名付けられ、
同様のスタイルの弁当が「松花堂弁当」の名称で
世に広まっていきました。
400年も前に昭乗のアイデアによって利用された器が、
現在も全国で利用されていることに、昭乗の、多才な
才能が、後世の人々も引きつける発想力と美意識を
備えていたことが「松花堂弁当」にも窺えます。