29, October, 2020
采配に批判の多い横浜DeNAベイスターズのラミレス監督。
私は大好きです。今季限りで退くとのことで残念です。
日本シリーズで王者ソフトバンクを追い詰め、あと一歩のところまでいったのは記憶に新しく感動と悔しさは今でも忘れられません。
彼が経験を積んで名将と呼ばれるようになるのは、まだまだこれからでしょう。そして外国人で日本語がネイティブじゃないのに一生懸命発信してくれる。言葉尻を捉えて批判されることもありますが、受け取る側の解釈の問題です。
私はロッテファンでもあるのですが、昔ロッテがバレンタイン監督で日本一になったとき、バレンタイン監督のマネジメントを仕事の参考にもしました。
他球団からエースや4番を獲得してチーム作りができる球団と違って、当時無名に近い生え抜きの選手たちを擁して日本一になった(競争に勝ち抜いた)ことは、社員の入れ替わりの激しい外資系の会社に対して、終身雇用形態の日本企業のあるべき姿にも似ているのではないかと思ったからです。今いる、存在する人を活かし、チーム(組織)として最大のアウトプットを目指す。そのために何をすべきか・・・そんなことを学びました。
また、戦力的に勝っている相手と戦う場合、相手の裏をかいたり日本のプロ野球の常識では考えられない采配をして選手がそれに応えていました。ラミレス監督にも同様の期待を感じさせてくれ、期待通りの監督でした。
人それぞれのマネジメント
マネジメントは優れた人・尊敬する人と同じことをやっても同じ結果は得られません。なぜならば、マネジメントする人が違うからです。己を知って自分に合った方法で行うことが大事です。従って私は人のマネジメントにはあまり口を挟みません。もちろんハラスメントや違法なやり方は上司でも意見しますし、部下の管理職には指導することはあります。
采配に理由あり
采配には必ず理由・背景があります。ファンは自分の考えと異なる采配をして結果が伴わなかった場合に批判をします。素人でも評論家みたいに批評できるのは野球が人気スポーツである所以でしょう、しかし皆結果論です。
もっと楽しい見方があります。なぜそうのような采配をしたのか、現場にはどのような情報があるのか、アクシデントなのか、ちょっとした変化を探します。監督や選手の心を覗きにいくように想像をしてみると、とても面白いです。
セオリー通りでは勝てない
セオリー通りにやっても勝てません。勝てるのであれば皆勝ってしまいます。相手があることなので大事なのは理論を知り尽くした上で、実践では状況に応じてどのように判断するかです。相手も理論を知っているので時には裏をかかなければ勝てません。セオリー通り確実にいくべきか、確率が低くても裏をかいて驚くべき戦法を使うか。その場合重要なのはその判断の背景について起用される選手がそれを理解して応えようとするかです。
選手のミスを責めない
ラミレス監督の素晴らしいところは、絶対に選手を責めないところです。
最近は減りましたが、期待に応えられなかった選手やミスをした選手を責める監督がたくさんいました。もちろんその選手のことを思ってのことなのでしょうが、今の時代それはあまり効果がないし、そんなことをしなくても、人生を野球に賭けている選手は言われなくても痛いほどわかっているはずです。プロなんですから。
だから、ラミレス監督は、辛い負けた日も
「これも野球」 ”Tomorrow is another day” と言います。
完全な勝ちパターンの試合運びでも逆転負けすることもあります。
逆もあるわけで、だから野球は面白いのだと私は解釈しています。
「明日は今日と違う日になる」といのは、単に今日のことは引きずらないで忘れようということだけではなく、きちんと反省して成長すれば明日はよい良い結果が得られるんだということを意味しています。これはラミレス監督自身も語っていることです。前向きで明るいイメージが先行しがちですが、それだけではないということがわかります。
批判する人・応援する人
批判・批評はいけないことではありません。自由に行ってもよいと思います。だた、それを聞いた人が不愉快になるのであれば、聞かせない方がよいのではないでしょうか。最近のファンは女性や小さな子供も増えて、選手だけではなく監督やコーチ、球団関係者までも家族のように思って応援しています。家族の悪口は聞きたくないですよね。
管理職(マネージャ)の立場にたつと監督の心の内が少し見えるような気がしませんか。人をマネジメントする立場としていろいろなことを学び、組織をどのように強化してポテンシャルを最大限発揮することに日々悩み、実行している方はラミレス監督を応援したくなるのではないかと私は思います。