2020年11月7日(土)
三千院の奥にある寺院
魚山大原寺「勝林院」は1013年
声明による念仏修行の道場として創建
二つの本堂を中心として僧坊が建立され、
多くの僧侶が声明の研究研鑽をする拠点となった。
勝林院と来迎院を中心とした大原東部の寺院群は、
魚山大原寺と総称されるようになる。
勝林院は火災や水害のたびに再建されてきた。
現在のお堂は1778年に再建されたもの。
幅七間・奥行六間の総欅造りで
屋根は木の板を重ねて葺いた杮葺
欄間や蛙股などに彫り込まれた立体的な彫刻は
当時の木彫技術の素晴らしさを今に伝えている。
お堂の中央に安置されている
本尊の阿弥陀如来坐像は
「大原問答」の折りに奇瑞を示したことから
「証拠の阿弥陀」と通称されています。
1168年勝林院住職の顕真が法然をまねいて、
延暦寺・金剛峯寺・東大寺などの高僧らとともに
念仏の教えについて問答を交わした。
法然は白熱する論議の中で、
念仏を唱えれば極楽浄土へ往生できると
経典を引用しながら説いた。
すると本尊が光を放ち、
法然の主張が正しいと証明した。
集まっていた多くの聴衆たちは、
皆平等に極楽往生できると知り、
大いに喜んで三日三晩絶えることなく
念仏を唱え続けたという。